2022/01/07 ギャルゲーの主人公

































「俺の名前はカミムラコーダイ

 ただの高校二年生だ  なんの変哲もない高校生活を送っている

 普段は他の学生と変わりなく

 勉学に励み、趣味を謳歌する  波風たたぬような平穏な日々を過ごしていた


 そんな俺は、クラスのマドンナ  神崎麗奈さんに密かな恋心を抱いている

 俺にとっては高根の花な存在だが一度だけ

 俺が放課後、北条先生に頼まれた雑用を  一人でこなしていると一緒に手伝ってくれた  彼女の優しさに心打たれてしまったのだ


 あまり交友関係は広くはないが  今通っている、永江州高校には  幼馴染の橘美香がいる

 幼いころからの腐れ縁で  隣の家に住んでるということもあり  窓越しに会話することもしばしばだ

 気を許せる相手でもあり、マドンナの話もよくする

 ただ彼女は恋バナに興味がないのか、その時は素っ気ない

 

 何気ない学校生活の中、唯一頭を悩ませることは  とある後輩の存在だ  逢坂麻衣、新聞部の彼女はしつこく俺に絡んでくる  やれ神崎さんの情報やら、クラスメイトの裏話やらと  そんなの全く知らないし、そもそもなぜ俺に聞くのかが分からない  逢坂曰く、「独自ルートの開拓なのです!」と言われてしまった  そういえば部活動は強制参加という  謎の学校の風習により、俺は手芸部に入っている

 手先が器用なうえ、趣味で羊毛フェルトをしている俺には

 ぴったりな部活だ

 手芸部の部長で先輩の佐々木静香さんは

 才色兼備な完璧人間と言えるほどしっかりした人だ、そして俺は副部長

 そう手芸部の部員数はたったの二人なのである

 互いに無口な性格もあり居心地がいい  ついつい、日が暮れるまで居残ってしまう


 親は共に考古学の研究のためカリフォルニアにいるので

 帰りが遅くなっても特におとがめはない  だが、我が家のもう一人の住人  妹の志保はそうでもないのだ  「遅くなるなら連絡しなさい!」

 「休日なのに昼まで寝ない!」

 「寝癖をほったらかさない!」

 まるでお母さんだ  昔は大人しくて、内気な性格だったはずなのに

 最近はガツガツ来るようになった

 思春期の成長は侮れないものだ


 俺は妹のお叱りから逃げるように自室に入り

 やりかけてた羊毛フェルトを再開する

 そういえば、後輩の逢坂が  明日は転校生が来る日とか言ってたな

 まぁ、俺には関係ないか  そう思い、フェルトをつつく俺は知らなかった

 これから起こる、一生続く物語の始まりのことを」